リスボンの西28km、電車で40分ほど揺られると着く町シントラ(Sintra)。シントラ山系にあり王家や貴族の避暑地となっているほか、その美しい文化的景観が世界遺産に指定されています。イギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」と評したそうですが、エデンとまでは言わないまでも非常に風光明媚な場所でした。
緑に包まれた町シントラ。丁度真ん中に見えている三角屋根を備えた建物が王宮です。14世紀にポルトガル王ジョアン1世によって建たてられ、夏の離宮として利用されていたそうです。
この王宮、外観はさほど目立たないのですが、室内装飾が豪華極まっていました。こちらは紋章の間と呼ばれる部屋の天井。華麗な紋様とまばゆいばかりの金色に圧倒されます。大航海時代、獲得した富をつぎ込んだとのこと。その後ポルトガルが辿った道を考えるに、もっと国力に寄与するような用途があっただろうにと・・・。大きなお世話ですね。
さて、このおとぎ話、というよりもディズニーの世界に登場しそうな城は、ペーナ宮殿といいます。有名なドイツのノイシュヴァンシュタイン城を建てたルートヴィッヒ2世の従兄弟にあたるフェルディナント2世が、1850年に完成させました。イスラム、ゴシック、ルネッサンス、マヌエル各様式が混在し、何とも不思議な建築物に仕上がっています。ピンク、黄、青、白を組み合わせた色合いもとても奇妙。フェルディナント2世、変わった感性をお持ちだったようです。
かわってこちらは、ムーアの城跡。7~8世紀にムーア人(イベリア半島に当時広がっていたイスラム教徒の呼称)が築いたそうです。12世紀中頃、レコンキスタの過程で攻め落とされたため今や完全に廃墟となっていますが、城壁の塔からの見晴らしが最高。シントラの町はもちろん、大西洋まで見渡すことができました。
シントラ、見所満載です。たっぷり1日、観光を堪能できました。
ところで、シントラの町には市場も立っていました。生鮮食品が中心の、完全に地元の人を対象にしたものでした。青空の下、爽やか。古き良きヨーロッパという感じがしました。
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